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執筆者の写真Raphael Mubanga

2024年のサンゴの白化ー原因、もたらしうる影響、保全に向けた取り組みー

2024 年、サンゴの白化現象は依然として、緊急性が高く影響が目に見えてわかる気候変動の兆候の 1 つで、海に大きな変化をもたらしています。海洋生物の 25% を支えるサンゴは、海水温の上昇、汚染、人間の活動によりますます脅威にさらされています。サンゴ礁は美しい海洋生態系であるだけでなく、生物多様性、沿岸域の保護、そして私たちの経済にも不可欠です。サンゴの白化現象の原因、最近の傾向、そしてサンゴ礁を保護するために私たちができることを一緒に探ってみましょう。



A thriving coral reef captured by Atierra’s top Reef Ranger, Dave Prenter, at Motobu, Okinawa, Japan, on October 18, 2023.
2023年10月18日、沖縄県本部町でAtierraのReef RangerのDave Prenter氏が撮影した、元気なサンゴ礁。

サンゴの白化とは何か、どうして重要なのか

サンゴは植物や岩のように見えるかもしれませんが、実際には褐虫藻と呼ばれる小さな藻類との特別な関係に依存して生きている動物です。藻類は光合成によってサンゴに食物と酸素を供給するだけでなく、サンゴの鮮やかな色の元にもなっています。そのお返しに、サンゴは藻類に安全な住処を提供し、相互に利益のある関係を築いています。


しかし、サンゴは気温上昇、汚染、水質の化学変化などのストレスに直面すると、褐虫藻を追い出し、白い骨格が露出します。これがサンゴの白化と呼ばれる現象です。藻類なしでは生きるのが大変なため、サンゴは脆弱になります。しかし、希望が完全に失われたわけではありません。状況が改善すれば、褐虫藻が戻ってきて、サンゴは本来の色と健康を取り戻すことができます。


2024年の状況:広範囲にわたる白化現象

近年、サンゴの白化現象はより頻繁にかつ深刻になってきています。2024年も例外ではなく、高い海水温と長引く熱波により、グレートバリアリーフ、カリブ海、東南アジアの一部でひどい白化現象が発生しています。エルニーニョのような極端な気候と人間が引き起こした気候変動が相まって、サンゴ礁への温水ストレスが増加しています。


2024年10月18日のCNNの報道によると、2023年2月以降に観測された驚異的な海洋熱波により、記録上最大規模の広範囲にわたるサンゴの白化現象が発生しています。これまではうまく生き抜いてきたサンゴ礁でさえ苦戦しています。自然な温度変動が頻繁にあり、白化に対する抵抗力を発揮してきた地域も、白化現象に侵されつつあります。


衛星データによると、大西洋、太平洋、インド洋に広がる世界のサンゴ礁は77%もの割合で、白化を引き起こすほどの熱ストレスを受けていることが明らかになりました。海洋温暖化がこのペースで続くと、今世紀半ばまでに世界のサンゴ礁の最大90%が失われる可能性があると科学者たちは警告しています。


AtierraのReef RangerであるDave Prenter氏は、日本の沖縄県本部町のサンゴ礁の健康状態について、興味深い見解を共有してくれました。彼は毎週ダイビングをしており、2024年11月のある日、サンゴ礁の現在の状態を1年前と比較しました。

1~2メートルの浅い深さでは、サンゴの死亡率は約50%で、サンゴ礁の端から離れるほど死亡率は高くなります。しかし、4~5メートル以上の深さでは、約80%のサンゴが生き残っているようで、深さによる回復力の著しい違いが見られます。

The same coral reef, now showing signs of bleaching, captured by Atierra’s top Reef Ranger, Dave Prenter, in Motobu, Okinawa, Japan, on November 17, 2024.
2024年11月17日、沖縄県本部町でAtierraのReef RangerのDave Prenter氏が撮影した、1年前と同じサンゴ礁。現在白化の兆候が見られる。

サンゴの白化現象が増えているのはなぜか

サンゴの白化の主な原因は、気候変動による海水温の上昇です。しかし、他の要因もあります。


海洋酸性化

大気中の二酸化炭素濃度の上昇は、海水温を上昇させるだけでなく、化学的な変化ももたらします。酸性化によりサンゴの骨格が弱くなり、白化現象が起きやすくなります。

汚染

乱獲と破壊的な漁業

観光と沿岸開発


 

私たちができること

サンゴ礁は、海洋生物多様性、漁業、そして観光や漁業に依存するコミュニティにとって不可欠なものです。問題は山積みですが、サンゴ礁の保全に直接貢献する方法がいくつかあります。


共同サンゴ礁モニタリング

集団で行う長期的・継続的な観察は、サンゴ礁の健康状態を判断し、将来の課題を予測し、効果的な解決策を導入するための鍵となります。サンゴ礁の観察の最大限の効果を発揮するには、組織、研究者、個人間のシームレスな連携が必要です。

保全活動への貢献

サンゴ礁のデータの共有

気候アクションに取り組む

地域の清掃活動に参加

教育と意識向上


まとめると、サンゴの白化現象は、サンゴ礁保護のための集団での取り組みの必要性・緊急性を浮き彫りにしており、Atierra はこうした取り組みの最前線にいます。オープンソース・プラットフォームを活用することで、ダイバーが写真や動画を通じてサンゴ礁の保護に貢献できるようにし、効果的なデータ収集とサンゴ礁の観察に繋げています。こうした取り組みによって、タイムリーな介入が可能になり、個人、科学者、環境活動家、地域のステークホルダー間の協力が促進されます。結果として、世界レベルで行われている白化現象への対策に直接貢献することができます。

 

今すぐサンゴ礁の写真や動画を共有し、子どもたちの世代のために協力して海の生き物たちを保護しましょう。


 





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